ー鉄道車両メーカーの表示(3)ー

写真集(その41)ー鉄道車両メーカーの表示(3)ー

    ここでは、写真集(その4)(その5)に引き続き、鉄道車両メーカーの車内・車外銘板(新潟鐵工所・新潟トランシス、富士重工業)及び、旧国鉄時代を含むJR東日本・西日本・九州の工場・検査設備を中心にまとめた。
    (1)(写真集・その4ー日本車輌製造・川崎重工業・日立製作所)はこちら
    (2)(写真集・その5ー東急車輛製造・総合車両製作所、近畿車輛、アルナ工機・アルナ車両)はこちら
    (4)(写真集・その44ー民鉄の自社工場・車輌検査設備、複数のメーカーによる共同製作など)はこちら

新潟トランシス

    かつては「新潟鐵工所」「新潟鉄工」と呼ばれ、新潟でも有力な機械メーカーだったが、アメリカ同時多発テロの影響などを受けて経営に行き詰まり、2001年秋に経営破綻。その後、石川島播磨重工業(現在のIHI)を再生スポンサー企業として、社名を現在の新潟トランシスに改める。富士重工業が鉄道事業からの撤退を決めたこともあり、従業員や車両のアフターサービスも受け入れ、気動車では圧倒的なシェアとなる。
    国鉄24系25型客車 JR北海道キハ141系気動車
    (左)国鉄24系25型客車。(右)JR北海道キハ141系気動車。もともと客車(50系51型)にエンジンを載せて気動車にしたもので、基になる客車を新潟鐵工所で製造している。
    西武山口線8500系電車 ゆりかもめ7000系電車
    JR西日本187系気動車 ゆりかもめ7000系電車
    (上左)西武山口線8500系電車(「レオライナー」)。(上右)ゆりかもめ7000系電車。客車・気動車の他、新交通システムにも積極的に参入している。(下左)JR西日本187系気動車。(下右)ゆりかもめ7000系電車。現在の新潟トランシスの車内銘板となっている。
    富山地方鉄道9000形電車 富山地方鉄道9000形電車
    (左・右)富山地方鉄道9000形電車(セントラム)。
    島原鉄道キハ2500形気動車 由利高原鉄道YR-2000形気動車
    (左)島原鉄道キハ2500形気動車。(右)由利高原鉄道YR-2000形気動車。

富士重工業

    自動車のイメージが強いが、鉄道車両も宇都宮市内に工場を構え、製造していた。気動車や客車・ブルートレインはほぼ前項の新潟鐵工所との寡占状態だった。その後、鉄道車両事業からの撤退を決め、2003年に新潟トランシスに事業譲渡・継承した。
    樽見鉄道ハイモ230形気動車 国鉄キハ40系気動車
    東武鉄道6050系電車 JR北海道キハ201系気動車
    (上左)樽見鉄道ハイモ230形気動車。(上右)国鉄キハ40系気動車。(下左)東武鉄道6050系電車。(下右)JR北海道キハ201系気動車。どのような理由か不明だが、同一デザインで複数の色のプレートが存在した。
    キハ261系気動車 キハ261系気動車
    (左・右)JR北海道キハ261系気動車(スーパー宗谷用基本番台)。当初は(左)の銘板のように第三セクターの「北海道高速鉄道開発」が車両を保有し、それをJR北海道が借り受ける形を取っていたが、所定編成からの増結が多くなったことを考慮し、(右)のように一部JR北海道が独自に増備した車両もある。
    樽見鉄道ハイモ230形気動車 土佐くろしお鉄道阿佐線9640形気動車
    (左)樽見鉄道ハイモ230形気動車。(右)土佐くろしお鉄道阿佐線9640形気動車。

東日本旅客鉃道(JR東日本)

    新津車両製作所は、鉄道事業者直営の車両工場。東急車輛製造からの技術協力を受け、首都圏近郊用通勤電車の自社製造を実現させた。大宮総合車両センターは、古くは日本鉄道大宮工場まで歴史を遡れる。
    大船工場 長野工場
    大井工場 大宮工場
    (上左)大船工場(国鉄415系電車)。(上右)長野工場(国鉄115系電車、現・長野総合車両センター)。(下左)大井工場(国鉄113系電車、現・東京総合車両センター)。(下右)大宮工場(国鉄115系電車、現・大宮総合車両センター)。
    JR東日本205系電車(改造) JR東日本205系電車(改造)
    JR東日本209系電車(改造) JR東日本209系電車(改造)
    (上左・上右)大宮工場(JR東日本205系電車、武蔵野線向け改造)。
    (下左・下右)大宮総合車両センター(JR東日本209系電車・房総方面用改造)。大宮総合車両センターでは、後述の土崎・郡山の両総合車両センターとともに、京浜東北線で使われてきた209系電車の千葉・房総方面向け改造にあたった。同じ施設での改造だが、(下左)はプレート表記、(下右)はステッカーとなっている。
    土崎工場 土崎工場
    JR東日本205系電車3000番台 富士急行6000形電車
    富士急行6000形電車 富士急行6000形電車
    (上左・上右)土崎工場(上左:JR東日本701系電車、上右:国鉄115系電車、現・秋田総合車両センター)。
    (中左)秋田総合車両センター(JR東日本205系電車3000番台、八高・川越線用改造)。
    (中右・下左・下右)東日本トランスポーテック(いずれも富士急行6000系電車)。もと京葉線で使われてきた205系電車の改造にあたった。改造後も「JR東日本」のプレートは残された。
    JR東日本205系電車(改造) JR東日本205系電車(改造)
    しなの鉄道115系電車(改造) JR東日本E233系電車
    (上左・上右)東京総合車両センター(JR東日本205系電車、武蔵野線向け改造)。東京総合車両センターは車庫機能、工場・改造設備を持った総合的な車両基地となった。(下左)長野総合車両所(国鉄→しなの鉄道115系電車、現・長野総合車両センター)。(下右)新津車両製作所(JR東日本E233系電車)。前代のE231系電車とともに201系や205系、209系を置き換える原動力となった。
    JR東日本253系電車(改造) JR東日本253系電車(改造)
    JR東日本209系電車(改造) JR東日本209系電車(改造)
    (上左・上右)大宮総合車両センター(JR東日本253系電車1000番台・東武直通用改造)。かつての「成田エクスプレス」の東武直通特急への改造もここで行われた。(下左)郡山総合車両センター(下右)秋田総合車両センター(いずれもJR東日本209系電車・房総方面用改造)。大宮総合車両センターとともに京浜東北線で使われてきた209系電車の千葉・房総方面向け改造にあたった。

西日本旅客鉃道(JR西日本)

    JR西日本では網干・後藤などエリア各地に「総合車両所」を配置している。特に後藤総合車両所では、自社のみでなくJRに直通する北近畿タンゴ鉄道や智頭急行、若桜鉄道の車両整備も引き受ける。285系電車のJR東海持ち分についても実質的には後藤総合車両所で整備を行っている。一方で1900年、山陽鉄道時代に設立された鷹取工場は2000年3月末、一世紀の歴史に幕を下ろした。
    国鉄123系電車 国鉄123系電車(改造)
    (左)広島車両所(当時、現在はJR貨物に所属)(右)幡生車両所(当時)。ともに国鉄123系電車。同じ車両に並べて貼られている。国鉄分割民営化直前に国鉄143系電車から改造され(左)、民営化後に更に改造された(右)。小野田線・宇部線で主に使われている。
    国鉄183系電車(改造) 新幹線0系電車(改造)
    (左)吹田工場(国鉄183系電車)。国鉄末期に福知山線が城崎(現在の城崎温泉駅)まで電化され、特急「北近畿」号の誕生にあたって485系電車を起用した。ただ、走行区間が直流区間のみで完結することから後に交流用機器を取り外し、183系電車となった。(右)博多総合車両所(新幹線0系電車)。山陽新幹線内において、0系は2008年12月まで現役を続けた。
    国鉄42系電車(更新修繕) 国鉄415系電車
    (左)吹田工機部(国鉄42系電車、更新修繕)。(右)松任工場(国鉄415系電車、現・金沢総合車両所)。
    国鉄183系電車(改造) 国鉄183系電車(改造)
    (左・右)吹田工場(国鉄183系電車)。485系電車から取り外された交流機器は、七尾線電化に必要な交直流電車の部品に供された。

九州旅客鉃道(JR九州)

    JR九州811系電車 JR九州811系電車
    国鉄103系電車(改造) 国鉄103系電車(改造)
    (上左・上右)ともにJR九州811系電車。小倉工場で落成した。(下左・下右)ともに国鉄103系電車(筑肥線用)。


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