ー鉄道車両メーカーの表示(2)ー

写真集(その5)ー鉄道車両メーカーの表示(2)ー

    前項・写真集(その4)に引き続き、本項(2)では東急車輛製造・総合車両製作所、近畿車輛、アルナ工機・アルナ車両の車内・車外銘板について取り上げる。
    (1)(写真集・その4ー日本車輌製造・川崎重工業・日立製作所)はこちら
    (3)(写真集・その41ー新潟鐵工所・新潟トランシス、富士重工業、JRの自社工場・車輌検査設備)はこちら
    (4)(写真集・その44ー民鉄の自社工場・車輌検査設備、複数のメーカーによる共同製作など)はこちら

東急車輛製造・総合車両製作所

    単に「東急車輛」と呼ばれることが多い。東急はもとより、JRや関東地方の私鉄の多くの車両を製造してきた。また、過去に合併した大阪・帝國車輛工業が南海電気鉄道の得意先であった名残から、南海電鉄からも受注していた。南海は関西地方における数少ない得意先でもある。2012年4月、鉄道車両部門をJR東日本に売却。JR東日本が完全子会社に収め、商号を「総合車両製作所」に変更した。
    営団7000系電車 国鉄183系電車
    国鉄711系電車 東急8090系電車
    (上左)営団7000系電車。(上右)国鉄183系電車(国鉄485系電車からの改造)。(下左)国鉄711系電車。(下右)東急8090系電車。
    京成3700形電車 東武30000系電車
    京成新3000形電車 JR東日本253系電車
    (上左)京成3700形電車。(上右)東武30000系電車。(下左)京成新3000形電車。(下右)JR東日本253系電車(1000番台改造車)。東急グループのマークとオレンジ地は変わらないが、表記が「TOKYU CAR CORPORATION 2002 YOKOHAMA JAPAN」となっている。
    東急300系電車 東急5000系電車
    (左)東急300系電車(世田谷線)。(右)東急5000系電車。
    JR東日本E233系電車 小田急4000形電車
    西武2000系電車 西武2000系電車
    (上左)JR東日本E233系電車。(上右)小田急4000形電車。(下左・下右)西武2000系電車。最近竣工の電車ではステッカーになっている社局が多い。
    京急2100形電車 京急新1000形電車
    京急新1000形電車 京急新1000形電車
    (上左)のみ京急2100形電車、他は京急1000形(2代)電車。京急1000形(2代)電車は前述の川崎重工業製と同様、アルミ車体で落成した5次車までは電装品にドイツ・シーメンス社の製品を搭載しているため、両者併記となっている(上右)が、ステンレス車体で落成した6次車以降は「powered by SIEMENS」の表記がなくなっている(下左・下右)。
    国鉄485系電車 京成3700形電車
    伊豆箱根鉄道駿豆線7000系電車 京急2100形電車
    JR東日本E259系電車 京成AE形電車
    (上左)国鉄485系電車。(上右)京成3700形電車。(中左)伊豆箱根鉄道駿豆線7000系電車。(中右)京急2100形電車。(下左)JR東日本E259系電車。(下右)京成(2代)AE形電車。
    京急新1000形電車 京急新1000形電車
    京急新1000形電車 京急新1000形電車
    京急1000形(2代)電車。社名を「総合車両製作所」に改めてから竣工した1153F編成。車内の製造所表記のフォーマットは前身の東急車輛製造で製造された1000形電車に準じており、メーカーの部分に「総合車両製作所」と書かれている(上左・上右)。
    車両妻部の銘板もやはり「総合車両製作所」と書かれているが、車内の表記と異なり、竣工年に和暦を使用している(下左・下右)。

近畿車輛

    大阪市東大阪市に工場があり、落成した車両は基本的に片町線・徳庵駅から各地へ輸送される。車両によってはトレーラー陸送や海運を用いることがある。広島電鉄の超低床連接電車「Green mover max」製造にあたり、三菱重工業・東洋電機製造と連合を組み、納入した。他にも地元の近畿地方だけでなく、最近はJR東日本からE257系・E259系電車を受注した。
    国鉄123系電車 国鉄205系電車
    (左)国鉄123系電車。(右)国鉄205系電車(武蔵野線用)。
    営団6000系電車 営団03系電車
    (左)営団6000系電車。この頃までは、社章が近鉄のマークに似せたデザインだった。(右)営団03系電車。「KS」のロゴ採用後に落成された車両。
    JR東日本205系電車 JR西日本207系電車
    阪神1000系電車 京都市50系電車
    (上左)JR東日本205系電車(6扉車)。(上右)JR西日本207系電車。(下左)阪神1000系電車。(下右)京都市交通局50系電車(地下鉄東西線)。
    近鉄1220系電車 近鉄9020系電車
    (左)近鉄1220系電車。(右)近鉄9020系電車。こちらも「KS」のロゴ採用後に落成された車両。色違いこそあるが、近鉄向けの車両には竣工年が書かれていない。
    国鉄415系電車 JR東日本E257系電車
    JR西日本321系電車 JR東日本E259系電車
    (上左)国鉄415系電車。(上右)JR東日本E257系電車。(下左)JR西日本321系電車。(下右)JR東日本E259系電車。

アルナ車両

    前身は1947年、復員兵雇用のために創業した「ナニワ工機」である。後に「アルナ工機」に社名変更している。阪急系であったが、阪急だけでなく東武鉄道とも長く取引があった他、全国各地の路面電車にも同社製の車両が多くあった。
    その後1990年代後半になって重要な得意先であった阪急・東武が車両の発注を手控えるようになって経営が悪化。親会社である阪急電鉄はアルナ工機について鉄道線用車両事業からの撤退を決め、2002年に現在の「アルナ車両」などに事業別分社化して清算。現在は路面電車用車両に特化しており、阪急・東武向けの新型車両は日立製作所が事実上、引き継いでいる。
    伊予鉄道モハ50系電車 東京都交通局7500形電車
    (左)伊予鉄道モハ50系電車。社名が「アルナ工機」に変わったのは1970年(昭和45年)。(右)東京都交通局(都電荒川線)7500形電車。7520は新潟鐵工所で製造されており、写真のプレートは後年、アルナ工機で更新改造されたときに施されている。2011年1月除籍。
    東武10000系電車 東京都交通局7000形電車
    (上左)東武10000系電車。(上右)東京都交通局(都電荒川線)7000形電車。同じアルナ工機のプレートが二枚並ぶが、下が製造時、上が後年改造時のもの。
    東武100系電車 東武100系電車
    阪急8300系電車 北大阪急行8000系電車
    (上左・上右)東武100系電車(スペーシア)、(下左)阪急8300系電車。(下右)北大阪急行8000形電車(ポールスター)。
    広島電鉄3950形電車 東武20000系電車
    鹿児島市交通局1000形電車 伊予鉄道2100系電車
    (上左)広島電鉄3950形電車。(上右)東武20000系電車。(下左)鹿児島市交通局1000形電車。(下右)伊予鉄道2100系電車。
    「アルナ車両」の路面電車生産継続は、伊予鉄道の他にも東京都交通局(都電荒川線)、広島電鉄などのユーザーの要望が非常に大きかったことも見逃せない。
    伊予鉄道モハ50系電車 伊予鉄道モハ50系電車
    (左・右)伊予鉄道モハ50系電車。
    東武8000系電車 東武10000系電車
    札幌市交通局3300形電車 東京都交通局8800形電車
    (上左)東武8000系電車。(上右)東武10000系電車。(下左)札幌市交通局3300形電車。(下右)東京都交通局(都電荒川線)8800形電車。


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